山崎昇 アンティーク ゴルフ クラブ コレクター 収集家 高山市 歯科医師 GVBDO
山崎昇アンティークゴルフクラブ
コレクター 収集家 高山市 歯科医師
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by Norman Yamazaki, DDS. (profile)

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January 22, 2011

アンティークゴルフクラブ

に関する日本最初の取材

私が本場アメリカで、

ゴルフコレクターズ・ソサイアティ(GCS)に

入会し、事実上の会長であるボブ・クンツ氏に

気に入られているを知った綿平亀雄氏は、

一度会いに来ないか?と誘ってくれたので、

アメリカから銀座に遊びに行きました。

すると、妙に気に入られ、

色々な人を紹介してくれた中に、

ゴルフダイジェスト社でChoiceという

マニア向けの雑誌の編集長をしていた

西澤忠氏がいました。

たいへん骨のある人で、しかも

ゴルフに対する見識も深かったため、

すぐに私のことを記事にしてくれました。

それが、私が一般に知られるようになった最初です↓。

*****

ゴルフダイジェスト Choice 1986年3月号 掲載

アンティーククラブに魅せられた若者

山崎昇 クラブコレクター

億単位のクラッシックを

処分しての転身

文・川田泰三

写具・広沢和哉

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アンティーク・クラブ。

日本では、まだ、 なじみの薄い言葉だ。

古いクラブという 意味なら

クラシック・クラブだろうが、

コレクターの間ではクラシックとアンテ ィークは

画然と区別されている。

年代で いえばスチールシャフトが普及した

30年 代以前をアンティーク、

以降をクラシッ クとする。

そしてクラシックのほうは、

現代でもまだ使える「実用的なクラブ」

なのに対して、アンティークは実用性よ りも

主としては鑑賞用ということだ。

非実用的な鑑賞用ということが、

まる で床の間に飾る骨董品のような

イメージ を与えるのか、

日本ではクラシック・ク ラブのコレクターはいても、

アンティー ク・クラブのコレクターは

皆無に等しいだろう。  

ところが、700セットもの

クラシッ ク・クラブの名器を集めながら

それを売 り払い、

アンティーク・クラブのコレク ターに

なってしまった人がいる。  

山崎昇さん。実家は長野県だが、

米国に留学し、2年前オハイオ州立大を卒業。

その後も米国で、専門課程を勉強中である。

昭和34年生まれ、まだ26歳だ。

この若さで、クラシック・クラブに熱中 し、

さらにそれを振り捨てて、

アンティ ーク・クラブにのめりこむ。

一体アンテ ィーク・クラブの魅力とは何だろう。  

「クラシック・クラブを使って

プレーす るのは楽しい。

でも奥行きがないんです。

使ってみて、このクラブはいいとか、

稀少価値があるとか言っても、

そこまでで 話は終わってしまう。

ところがアンティ ーク・クラブには美学があるし、

歴史を 調べ、一本のクラブからさまざまな

物語 を想像することができる。  

他人に見せても、クラシック・クラブ なら

『いいカオだろう』で終わってしま うけど、

アンティーク・クラブは、

その来歴から始まって材質や、

傷とか修理の 跡などについて

いろいろな話ができる。  

アンティーク・クラブは単に

床の間に 飾っておく装飾品じゃないんです。

限り ないロマンがあるんです」  

山崎さんがこれほどアンティーク・ク ラブに

のめりこむのには、

やはりアメリ カで狂信的、

かつ本格的コレクターたち と

出会ったことが大きな要因となってい る。

アンティーク・クラブに対する認識 が低く、

ましてコレクターのサークルも

マーケットも成立していない日本では、

その魅力に接する機会もない。

いや、そ もそも山崎さんがゴルフに

関心が芽ばえ たのも、

米国に留学してからのことだっ たのだ。  

「日本の大学に行くのはイヤだな」  

そんな軽い気持で米国に渡って入学した

オハイオ州立大学は、ジャック・ニク ラスを

はじめとしたトップ・プロを輩出した

ゴルフの名門校でもあっただけに、

36ホールのコース(設計したのは

オーガスタナショナルのマッケンジー博士)

を持つほどゴルフを優遇する学校だった。

それまで、ひと夏に 一度プレーする程度の、

さしてゴルフに 興味を持だなかった山崎さんは、

体育の科目にゴルフを選択してからは、

一気に 熱中時代へ突入。

最初の夏休みから、ほとんどゴルフに

明け暮れるというゴルキチになる。  

そして、自然にクラシック・クラブに

対する興味を持たされることになる。

自ら修理することで 昔の職人の情熱を知る

ひとりでフラリとコースに行って、

他 の人と一緒にプレーする。

そういうときには、往々にして

お年寄りと組まされる ことになる。

もともとアメリカでは高年齢のゴルファーが多い。

ましてウイーク デーの昼間、

ゆったりゴルフするのは学生とお年寄り、

になるわけだ。

そして、 お年寄り3人と一緒になると、

そのうち 1人くらいは必ずクラシック・クラブを

侍っている。  

そんなラウンドの途中で、

一度クラシ ック・クラブをティ・ショットで

使わせ てもらった。

驚くほどいいショットが出 た。

300ヤード。

今まで決して出なか ったショットだ。

急にクラシック・クラ ブが欲しくなる。  

米国ではゴルフ雑誌にクラシック・ク ラブの

通信販売の広告がいくらでも載っ ている。

そのひとつからカタログを取り寄せ、注文した。

「最初に買ったのは、マグレガーの

VIP67年モデル。今でもよく覚えてます。

うれしくて早速使ったら、

やっぱりいい球が打てる。

クラブはクラ シックがいい、

と思い込みました。

で、 使っているうちに調子が悪くなってくる。

そこでまたカタログで良さそうなクラブを注文する。

その繰り返しでだんだん数 が増えてきました。

でも、その頃はまだ コレクターではなかった」  

同じ町のやはりクラシック・クラブを

集めている人とも知り合う。

その人から クラシック・クラブの知識や

コレクター ズ・アイテムを教えられる。

そうやって、 コレクターの世界へと

入っていくことに なった。

それでもなお、たんに集めて取っておくのではなく、

あくまでも使うため

という気持に変わりはなかった。  

アメリカには、ゴルフ・コレクターズ・ ソサエティー

(GCS)という団体があ る。

そこではトレードフェアも開催され る。

コレクター間の情報交換の場であり、

クラブ売買の場にもなる。

同じ町のコレ クターから誘われて

ソサエティーに入る ことになったが、

その団体の主流は、ヒ ッコリー・シヤフトや

それ以前のクラブ のコレクターだった。  

その団体のいわば長老格のボブ・クン ツに紹介され、

山崎さんは彼に師事する。  

「家をたずねていくと、

2本のウッドク ラブが飾ってある。

『あの2本をどうして飾ってあるか分かるかね』

といって、ク ンツが説明しはじめるんです。

片方はイ ンサートが入ってなくて、

フェース面に 刻んだ溝が中心部では

擦れてなくなって いる。

もう片方はフェースインサートが 入っている。

『これはいつ頃のクラブで、

この片方のクラブの時代まで

インサート は入っていなかった。

同じモデルのクラ ブだが、

こちらはフェース面が擦れるの を防ぐため、

インサートを入れている。

その材質は……』という具合に話が始ま って、

何時間も、そのクラブ講釈が続く。  

次第にアンティーク・クラブヘの興味 が募り、

少しずつ集めるようになる。

そ してー。  

「昨年の5月頃、真剣に考えたんです。

その頃、クラシック・クラブは700セ ット

持っていた。

それもコレクターズ・ アイテムばかり。

実家(信州名物、蕎麦 の卸業をやっている)から

引き出して使 った金も億の単位だが、

これを日本に持 って帰って売れば、

ひと財産になる。  

でも、これを持っていても、眺める楽 しみはない。

ゴルフにしても、プロをめ ざして

性能のいいクラブを集めるという わけでもない。

それよりゆっくり楽しむ ゴルフをしたい。

となると、将来気の合 った仲間とゴルフをし、

クラブについて 語るには

アンティークのほうがふさわし いんじやないか。  

そう考えて、決断しました。

それまで 集めたクラシック・クラブを売り払って、

クンツのところにでかけました。  

コレクターの心理って、同じですね。

それまではひと通りの話しか

してくれな かったのが、

私の決意を知って、

真剣に 話してくれるようにもなったし、

それま で見せてくれなかったクラブも

見せてく れるようになりました。

コレクターって、

相手が真剣なほど心を開いてくれるんで すよ。

金を積んでとにかく集めればいい

という人には本当にいいものは見せない。

持っていることさえ教えない。

真剣だと 分かって、

はじめて『実は』となるんです」  

クンツはそれとともに修理法も教えて くれた。

アンティークにはクラシックとは

違った修理の方法、基準がある。

どう いう傷は直していいか、

どこは直しては いけないのか。

それらを、ただし「まず 自分で考えてみろ」と

つき離しながら教 えていく。

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これもまた「真剣さのテスト」 でもあるのだろう。  

「そうやって、自分で工夫していくと、

昔の職人がどうやって、

どういう思いで クラブを作っていたかが

見えてくるんです。

それらのひとつひとつがまた、

クラ ブをながめながらの

話のタネになってい くんでしょうね」

以上

ゴルフダイジェストChoice 1986年3月号 PDF

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